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自分の殻の破り方

自分の殻の破り方


もじもじぐずぐず自分をごまかして生きてきた
心の傷に塩をすり込む勇気なんかなかった
貧乏、屈辱、劣等感で塗りつぶされた思春期を
ぼくは孤独にさまよってた
どこかに自分の居場所はないか
どこかに自分を認めてくれる人はいないか

桟橋通り三丁目の、楠がうっそうと茂る古びた校舎
仕事場からそのまま駆けつけるので腹がへったな
重ね着をしても真冬の寒さは骨身に沁みたな
くたびれて居眠りする生徒、やくざを気取る生徒
そこで、そんなぼくらに
ひたむきに向き合う国語の先生に出会った

先生の作文の時間に生れて初めて
何のためらいもなく
ひたかくしにしてきたぼくの劣等感の数々を
たどたどしく原稿用紙に綴った
その時、ぼくの魂を閉じ込めていた殻が
めりめり音を立てて壊れたんだな

先生はぼくのかなしみを受け止めてくれた
自分を分かってもらうことの喜びを初めて知った
そこに昨日までとちがう自分がいた
文章を書く、とはそういうことだったんだな
信じられる人に出会えたから
恥ずかしい真実を書くことができたんだな

さまざまな人生のハードルの前で生きなずむキミ
信じることができる人はキミのそばに必ずいる
キミが求めるならその人は必ず見つかる
その人を見つけて心を開こう
そこでキミは
昨日までと違う自分に出会うんだ

ぼくのオヤジの貧しい故郷の野辺に
白い花の咲くゲンノショーコが群れていた
その遠い記憶を文章に書いたら先生が葉書をくれた
<我が家の庭にたくさんあるから取りにおいで>
まだ取りに行かないが
ぼくの心の中にはもう白い花が咲いているんだ
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