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生きる力を育む教育

徳島県三好教育会主催教育講演会      2015.8.20 15:00~16:30(90分)

  <生きる力を育む教育>

お招きへの感謝、皆様の日頃のご苦労へのおねぎらい
  教育は本来、家庭、学校、地域社会、この三者の教育力に支えられて健全に成り立つ
  しかし現代という時代は、家庭と地域の教育力が崩壊、教育も子育ても学校に丸投げ
  教育受難の時代、皆様のご苦労はいかばかりか、心よりおねぎらい申し上げます
  私は教育行政の経験はあるが、教員ではなく、教育の専門家でもない
  不登校の子を持つ親として悪戦苦闘した25年・教育相談15年の中で辿り着いた自分の体験に基づいた考え方・借り物でないのが取り柄であり、欠点でもある
  お話の中に、教育受難の時代を乗り越えるヒント、何より皆様の人生を心豊かなものにするヒントが一つ二つ見つかれば幸い

はじめに少しだけ、たんぽぽ教育研究所のご案内
  教育行政8年間、不登校・イジメ・障害などでお困りの皆様の教育相談に精魂
  なぜそうしたか、困っている人を本気で助けようとする公務員は数少ないから
  でも、困っている人を助けることほど幸せな人生は無い、それで
  退職後、ライフワークとしてたんぽぽを開設、今年で8年目
  教育相談から、精神疾患や発達障害の皆様への支援、よろず悩み事相談に仕事は拡大
  詐欺師から本物のカウンセラーに、明るい窓、緑と音楽の空間をぜひお訪ねください

さて、今日のお話の主題を  <生きる力を育む教育>  としたのはなぜか
  教育の目的を明確にし、共通認識しておきたい、それができれば
  教育の方法についても、考え方の合意形成ができる、こう考えるについては二つのきっかけがある
  第一は、教育行政の中で様々な教育課題に遭遇・その解決に当たる時、教育の目的についての考え方が、同じに見えて実はみんなバラバラであることに気づいて愕然
  教育の目的は子どもの幸せ、でも、「幸せ」の中身についての認識が違っている
  教育の目的がバラバラだから、教育の方法もバラバラにならざるを得ない
  第二は、教育行政やたんぽぽで出会った不登校、イジメ、非行、心や体の障害に悩む
  子ども達、若者達、保護者、先生方に対する15年の支援活動の中で痛感する事
  よく頑張る、まじめで成績もいい、心の優しい、いい子がつまずいている
  真面目な若者、やさしい保護者、生徒を想ういい先生方が苦しんでいる
  つまずく事は全然かまわない、人生にプラス、問題はどう乗り越えるか
  乗り越えられないで困っている子ども達、若者達、大人達がたくさんいる
  テストで点数を取る学力だけでは、つまずきを乗り越えられない
  一流進学校に入学しても、そこでつまずいたら悲惨、そういう子供が沢山いる
  つまずきを乗り越えるには何が必要か?・支援活動の経験から
  生まれてきてよかったと思える瞬間、自分自身に対する信頼、自己肯定感
  それがあれば、困難や挫折、つまずきや失敗から再び立ち上がることができる
  それがあれば、どんな境遇に置かれても、そこに自分の居場所、自分らしいささやかな幸せを見つけることができる
  そういう生きる力を養うことこそ、子ども達の本当の幸せではないか
  さらに、これから子ども達が生きて行く21世紀という時代は、バラ色ではない
  21世紀は生きることが困難な時代・三つの崩壊の時代
  地球環境の破滅的な崩壊・食糧や資源の危機が間近に迫っている
  経済の枠組みの崩壊、成長の行き詰まり・格差の拡大に伴う生活基盤の崩壊
  その結果、人々の心の絆、モラルの崩壊がさらに進む
  どの一つを取っても、子ども達が健やかに育ち、生きる事がとても心配な社会環境
  とすれば、子ども達の幸せを本当に願うなら、将来どんな厳しい境遇に置かれても、その場所で、自分らしい幸せを見つけて、たくましく生きて行ける知恵や力を身に着けること、生きる力を育むことが、教育の目標にならなければならない

生きる力とはどんな力か・教育相談15年の経験から思う生きる力の素
  人生でいろいろな困難、挫折、失敗に遭遇した時、自分の知恵や力、周りの人の知恵や力を借りて、それを乗り越えていくことができる力、何がそういう力の素になるか
① 生活の知恵・心豊かに生きるための生活の知恵
  炊事洗濯、掃除、お使い、お手伝い、日常生活を通じて身に付けた知恵があると
  身の周りの人や自然に対する関心、小さなものを愛する好奇心が育つ
  卵焼きができる、雑巾が絞れる、食べ終えた食器を流しに運べる、洗える
  こうした経験が心を豊かにする・考える力や判断する力、やさしさも育てる
  人生の様々な場面で、その場面に柔らかに対応する生き方ができるようになる
② 周りの人と良い関係を作る力・人間に対する無条件の信頼
  人間は社会的動物、群れの中に居場所があると安心・幸せが得られる生き物
  居場所が見つけられない子ども達、若者達が苦しんでいる
  人と良い関係を作るには、人間とは信頼できるもの、という確信が必要
  そういう無条件の人間への信頼を身に付ける基礎は、親子の信頼関係だが、
  先生、友達、周囲の人との信頼関係でも代替できる <小西理論>
  それが人間全体への信頼に発展すると、どこにでも自分の居場所ができる
  その時、子ども達若者達は社会的自立が果たせる
③自分自身に対する信頼、自己肯定感・自尊感情、これが生きる力の核心
  それは時間をかけた育ちの過程で少しずつ形成されるもの・マニュアルは無い
  自分自身に対する信頼は親、周囲の人との信頼関係の中から育つ
  認められる、愛される、成し遂げる体験の積み重ねの中で少しずつ育まれる
  それがあれば、挫折、失敗、失意からもう一度起きあがる力になる
  どんな境遇に置かれても、そこで自分らしい幸せを見付ける力になる
  こういう生きる力の獲得こそ、子ども達を幸せにする唯一の道

生きる力を育むにはどうしたらよいか・三つのポイント
①生活の知恵を身に着けるために、生活体験をたくさん積む
  炊事、洗濯、掃除、お使い、お手伝い、できるだけ早い時期から、作業の一部でなく全部を、信頼して任せてあげて欲しい
  信頼されているという喜び、全部を任された責任感、どうすればうまくいくかの工夫、こうした体験が、身の周りの人や自然への興味・関心を育てる
  こうした生活の知恵が心を豊かにする・考える力や判断する力を育てる
②徹底的に遊ぶ、遊び呆ける、遊びは勉強より大事
  遊びは体力、生きるための知恵、人間関係を学ぶ最善のトレーニング
  就学前の保育・教育では現在も遊びが重視されているが、それ以後は遊び不在
  人間は遊びを通じて成長する、遊びの絶対的不足が現代の子ども達の不幸
  異年齢の集団で、自然の中で心ゆくまで遊ぶ事が理想、かつてはそれがあった
      <不登校・ひきこもりは遊びの喪失に原因がありはしないか・仮設>
  人間としてのマナー、社会のルール、モラルの習得は遊びの中で獲得できるもの
  遊びを通じて群れの中で生きる訓練ができると、どこにでも居場所が作れる
  集団の中に居場所が作れると、人は何処でも幸せに生きて行ける
③ 学ぶ喜びを感じられる勉強をする
  教えられた事をひたすら覚える勉強、苦しみに耐える勉強が現代の勉強の主流
  こういう勉強は、いつか疲労困憊する、つまずいたら起き上がれなくなる危険
  有名進学校で挫折する子ども達、優秀なのに卒論を書けない大学生が増えている
  学ぶ喜びに支えられた勉強は、生きる力につながる主体的な学びの力を育む
  つまずいても起き上がれる力になる・最後に勝つ
     <主体的な学びの力がない学生が就職活動で苦戦している>
学ぶ喜びは何によって獲得されるか
①先生が好きになること、全部の子どもに好かれる必要はないが、
  先生方は、できない子、悪さをする子、ものを言わない子に心をかけて
②友達が好きになること、友達と仲良く学びあう関係ができること
  これは競争の中では生まれない・仲間を大切にする学級経営の中で生まれる
③自分の勉強の仕方を身に着けること
  小中高校大学で学び方が違う・それに適応できない子がつまずく
  学び方のトレーニングが必要・本来は自分で辿り着くべきものだけれど
  分からない所を見つける予習、先生のお話を集中して聴く習慣
  オリジナルのノートづくり、友達と助け合い教え合う喜びのある学び
④勉強以外の勉強にも没頭すること
  虫取り、魚釣り、山登り、読書、好きな事に没頭する経験が集中力、探求力、人生を心豊かに生きる生き方の獲得に役立つ

生きる力を育むために、子ども達にどう向き合うか
①すべての子どもが一人一人違う個性、能力、可能性を持っている
  だから、それぞれの子どもが辿り着くべき幸せの形はみんな違う
  世間のおおいなる勘違い・良い学校良い会社神話はもう成り立たない時代
  その学校、その会社の中に自分の居場所を作る力がなければ幸せにはなれない
  テストで良い点数を取るためのお勉強では子どもは自分の居場所を作れない
  教えられたことを憶えるだけの勉強では子ども達は自己肯定感を育めない
  このおおいなる勘違い、認識の修正がまず必要
②子どもを分け隔てしない・偏見を持たない・障害という言葉で問題を片付けない
  すべての子どもが様々な可能性 <子どもという希望> を秘めている
  可能性、希望の芽を摘まない保育者・教育者でありたい
  ある教員研修会でこういう質問をしたら答えは5:5だった
    <羊飼いの悩み・迷った1頭の子羊を探すか、子羊を捨てて群れ全体を守るか>
  ある先生から後日お手紙・はぐれた1頭の子羊を作らない学級経営こそ大事
  私の答えは、はぐれた1頭を守れない羊飼いは群れを統率できない、群れを捨てても1頭の迷える子羊を見捨てない羊飼いの生き方を羊達は見ている
  子どもを分け隔てしないということは、一番貧しい家庭の子ども、一番勉強のできない子ども、一番大きなハンディキャップを背負っている子どもをいつも心に留めること
学級の子ども達は先生のその姿、考え方を見ている・必ずその影響を受ける
③言葉によるコミュニケーションには限界があることを認識する
  コミュニケーションの前提には信頼関係の構築が必要
  いたずらをした子どもを叱る時、信頼関係の有無が問われる
  子どもは自分の気持の全てを語れない場合がある
  語るべき自分をしっかり築けていない場合
  語るために必要な言葉を持ってない場合
  心を開いて語る前提となる信頼関係が築かれてない場合
  悪意なく嘘をつく場合、 現実と空想が混然、相手に配慮して、叱られると思って、などなど
  子どもの言葉の背後にあるものに想いをめぐらす、言葉の空白を埋めて聴く
    そこに 生活環境の問題があることも、イジメや虐待がひそんでいることも想定しながら、想像力を巡らせつつ聴く
④自分の価値観、世間の常識で善悪の判断をしない、決めつけない
  人の価値観はみんな違う・全てをいったん受け容れる度量を持ちたい
  不登校、非行、問題行動は良くない事、という決めつけを一度棚上げする
  それらは成長するためにその子にとって必要なプロセスであることもある
⑤自己肯定感・自尊感情を持った人間を育てることが現代の子育ての最大のテーマ
  自己肯定感を育てるマニュアルは無い
  日常の教育活動の中で自己肯定感を育てるような援助の仕方を意識する
    <田舎の小学校の縄跳び風景の中で>
  小さな成功体験を積み重ねることで自信を育てることこそ教育の真髄
  そういう支援を通じて、人間への信頼を育てることが自己肯定感、自尊感情を育てる基盤
  たんぽぽのカウンセリングで私が注意しているのもその一点
⑥自己開示する・最後で最強の手段
  私達が心を開く時、子どもも心を開く可能性が生まれる
  心を開くとは、自分の恥部をさらすこと、それを恐れない勇気を持つこと
  こうした心構え、日常の営みを通じて、子どもとの揺ぎない信頼関係を築くことが
  教育という営みのすべて、何より大切なこと

親は何をすべきか・親も育てなければならない時代になった
  ・私のおふくろの子育て・添い寝・昔話・抱きしめ
  ・親は何をすべきか
①親子の信頼関係づくりがすべての基礎
  たんぽぽで出会う親子のどこを見ているか・信頼関係が有るか無いかの一点
  信頼関係を育てるには、話をしっかり聴く、たくさん話してあげる
  そのために使う時間より大切な時間は人生には無い
  親への信頼が他者への信頼につながり、社会的自立につながる
②良い生活習慣を身に付けることは親の責任
  雑巾を絞れる子、食べ終わった食器を片付けられる子にするのは親の責任
③親自身が自分の人生を心豊かに生きる・その後姿を見せる
  子どもは親の後ろ姿を見て育つ
  ・親を育てるために
  どの親も言いたいこと、相談したいことを山ほど抱えている
  偏見を捨てて、共感して聴くことに徹する
  時間が惜しい、忙しい、が、ここぞ、という瞬間がある、その時に心を込めて聴くことで信頼関係が生まれる
  自分を開くことも時に必要
  そこから、親にアプローチする、影響を与える道が開ける    

学校は何ができるか・三つの経営改善の提案
  教育の責任は、家庭、学校、地域社会が等しく背負うべきもの
  現代の教育の不幸は、家庭と地域社会の教育力が崩壊、教育の責任が学校に丸投げ
  学校は教育の全責任を負うことはできない、しかし、学校にできることはまだある
①教科経営の改善
   <授業改善運動を通じて学校を変えたA小学校の例>
  校長でなく複数の中堅教員が牽引して全校運動・授業改善を通じて不登校がゼロ
  良い授業とはどういう授業か・指導の方法論にとらわれ過ぎては道を誤る
  指導の方法論よりも授業の主人公は教師ではなく子どもという思想が大事
  教室の片隅に置き去りにされる子どもがいない授業が良い授業
  みんなが参加意識が持てる・助け合う場面がある・発見がある・安心できる
②学級経営の改善
   <吹き溜まりにいる子ども達に声をかけてくれた先生のいたB中学校の例>
  教師の価値観、人生観次第で学級は生きも死にもする・恐るべし
  日常の教育活動を通じてABC君を心に留める先生がいる学級は、
  すべての教育課題を解決することができる・これが本当の人権・道徳教育
  日常の教育活動の中でさりげなく子どもと個別のつながりを持って欲しい
  先生の一声、かたたたき一つで子どもは奮い立つ
③学校経営の改善
   <殺人以外は何でもありだったC中学校はどうして生き返ったか>
  全教員で定期的に話し合い、気になる子どもをピックアップ
  子どもの状態を共通認識する作業を通じて、先生の子どもを見る目が変わる
  先生がやさしくなると、教師と生徒の関係が良くなる
  教員間では、困ったことはみんなで共有して共に悩む関係が生まれる
  教職員が悩みを共有できれば、孤立して心を病む先生は少なくなる
  さらに、子どもにも保護者にも地域住民にも助けを求め、共に悩んでもらう
  そういう方向に発展すれば、学校は天国に、これを学校が開かれると言う
  そのために、日常の人を分け隔てしないお付き合いが大切
  この三つの経営改善の味噌は、全部やらなくてよい、どれか一つに徹底して取り組めば、すべての道はローマに通ず、学校は子どもの幸せを紡ぐ場所になれる

最後に、教師個人として何をすべきか何ができるか
  家庭の教育力、地域社会の教育力の低下・崩壊を受けて、現代は教師受難の時代
  様々な考え方の上司、同僚、先輩後輩、さらに地域の環境のもとで、常にベストの教育環境を整えることは困難
  それでも、心の底に、「自分の生き方の原則」を持ち続けることはできる
  自分なりの「生き方の原則・バックボーン」を持つと、困難を乗り越えられる
①教育は教師と子どもの信頼関係を前提として成り立つもの、揺るぎない信頼関係を築くためにベストを尽くす
②目の前に困っている子どもがいたら、無条件で手を差し伸べる
  子ども達はそういう先生の生き方、後姿を見ている
  困っている人に手を差し伸べる、これほど大きな幸せはない・私は貧乏だが幸せ
③小さな心の絆を大事に育てる・小さな人のつながりを大切にする・それを意識して生きていると、ピンチに立たされた時、救いの手が伸びてくる
  たんぽぽ教育研究所は、子ども達の健やかな育ちを支える市民のコミュニティ
  様々な人々のささやかな支援で存続できている・関わる誰もが幸せを頂いている
④小さな絆を育てるために、すべての人を分け隔てしない生き方を実践する
   <清掃作業をしてくれている人に感謝の声をかけられない県庁職員>
  学校も過酷な階級社会、それを打ち破るひそやかな志を持ちたい
  私は、ひきこもりの青年、孤独な高齢者、宅急便のお兄さん・清掃してくれるお姉さん、相談に来られる人、支援してくれる人、すべての人に生かされている
⑤心豊かに生きる・誰もがお金持ちにはなれない・しかし、誰でも心豊かに生きることはできる・人生のピンチは誰にも訪れる・しかし、病気、左遷、失業、挫折に出会っても、心豊かに生きていれば幸せはつかめる
  最近出会った<セレンディピティ>という言葉

最後にCM・詩集「人生の扉は一つじゃない」
  自己肯定感を持てない、生きる事の意味がとらえきれない、挫折やピンチを乗り越えられない子ども達や若者達が、ものすごい勢いで増えている
  自己肯定感をどうやって育てるか、自分が存在する意味を自分で確かめるにはどうしたらよいか、挫折やピンチを乗り越えるにはどうしたらよいか、置かれた境遇の中で自分らしい幸せをどうやって見つけるか、彼らと悩みを共にする視点で書いた
  不孝を背負っても、心豊かに生きることはできる・そのためにはどうしたらよいか
  二人の子どもの心の病気と向き合ってきた自分の人生経験の全てを投入して書いた 
  皆様が教師生活を心豊かに過ごすためのお役に立つかもしれない
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