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たんぽぽ野原No.8

 <お母さんの体温>

                   

 ぼくのお母さんは昔話がとても上手でした。貧乏なので夜遅くまで内職をします。ぼくは囲炉裏端でそれを見ているのが好きでしたが、すぐ眠くなります。ぼくが居眠りを始めると、お母さんは内職を中断して、よっこらしょとぼくを抱き上げ、寝床に運んで添い寝をしてくれました。そして、ぼくが眠りに就くまで昔話をしてくれました。
 ぼくの家はランドセルも買えないほど厳しい暮らしでしたが、自分の生い立ちをあまり不幸だと思わないのは、お母さんの温かい体温、お乳の匂いや汗の匂いを身近に感じながら、面白い昔話を毎晩聞いて安らかな眠りに就いたからだろうと思います。
 時事通信社の発行している「内外教育」の七月五日号の巻頭コラムに、福田昭昌さんが、「学力低下批判論の忘れもの」という文章を書いておられます。拝読して、ううん、と唸りました。
 現在の小中学校教育は、学力低下問題で厳しい批判の集中砲火を浴びています。確かに、教育は今、様々な意味で「危機」にあります。その「危機」のとらえ方が、私達が普段耳にするものと、福田さんは少し違うのですね。それが、ううん、と唸った理由です。
 福田さんは、教育制度の在り方の問題とは別に、小さな頃の子ども達の言葉の発達、考える力の発達を阻害している社会環境の問題を、今日の社会が抱える根本的な問題としてあげておられます。
 幼い頃からのテレビやIT機器漬けが、子どもの脳や言葉、考える力の発達に及ぼす弊害、テレビラジオの騒音による言葉の混乱や思考機能のマヒ、親子のコミュニケーションの減少、人の話を聴く力や思考基盤の崩壊などなど。
 教育の危機が語られる時、その多くは教育制度の問題として語られますが、実は根本的な問題は子ども達が育つ社会環境の中にひそんでいるのです。
厳しい暮らしの中で、今のぼくの人間性や知性の基盤を育んだものは、間違いなく、添い寝してくれたお母さんの体温、耳元で聴いたやさしい昔話でした。
 子ども達が健やかに育つために、あまり多くのものは要らない。お母さんの体温、先生や地域の人々の温かい眼差し、これだけあれば十分なのだと、あらためて思います。

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