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「少しずつ」

「少しずつ」

 Cさんは控えめでやさしい青年である。時々、切羽詰って”たんぽぽ”を訪ねてくださる。
 Cさんは友達が欲しくて欲しくてたまらない。一緒に飲みに行きたいけれど誰も誘ってくれない。自分にひどいことを言った先生を首にしてしまいたい。学校へねじ込んだが、取り合ってもらえない。親元を離れて独りで暮らしたい。施設を探しているが、希望を満たす施設が無い。外に出て、もっともっと人と交わりたい。けれど、何処へ行ってもなぜか、うまくいかない。発達障害に対する医療や支援の体制が高知県は遅れている。どうしてなのかと、詰め寄られる。
 Cさんの願いはどれも切実。なんとか、一つでも道筋を見つけてあげたいが、親身に対応してくれる窓口がなかなか見つからない。いくつかのチャンネルを押してみたが、どこも彼のフィーリングと合わない。トンネルの出口が見えない。
 さあ、困った。未熟で愚かなカウンセラーは、おろおろ、立ち往生している。
 どこへ行ってもうまくいかない、Cさんの直面している問題は、実は発達障害に特有の問題ではない。世の中の荒波をくぐって生きて行く人、誰にも共通する問題である。
 どうやって、自分自身をつくるか。
 答えは身近なところにもありそうに思う。ご飯を炊く。卵焼きを作る。菜っ葉をゆでる。そんな小さなことから、少しずつ準備する努力ができれば、どんな大きな問題もクリアできる自分ができる。この、少しずつ、ということがなかなかできないのが障害のつらさ。それは、人生と折り合いをつけるのに不器用な人のつらさでもある。
 Cさんから今日も電話があった。ぼくの焦りで、昨日のカウンセリングが彼にとっては不完全燃焼だったらしい。長いお話をお聴きして、何度も、ごめんね、と謝った。
 ぼくもカウンセラーとして、少しずつ、成長しなければならない。
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